超音波歯ブラシ・電動歯ブラシ、効果はどうなの?
最近注目されている「超音波歯ブラシ」については、どれくらいご存知ですか?
「音波」とは通常人が聞こえる範囲のヘルツ(Hz、一秒間の振動数)ですが、超音波であれば、人間の耳には聞き取れなくなります(超音波の正体(本多電子株式会社) ご参照)。
超音波歯ブラシは、その発生装置が歯ブラシのヘッドに搭載されており、口の中の水分で振動を発生させています。
これまであった電動歯ブラシや音波歯ブラシは、いずれもブラシの先端にあるモーターの回転運動や高速振動によって毛先を高速振動させて、歯の汚れをとるものです。
電動歯ブラシで1分間におよそ5千回、音波歯ブラシは1分間に3~4万回程度振動します。
電動歯ブラシや音波歯ブラシでは、あまり手で動かす必要がない点をセールスポイントにしているものが多いようです。
電動歯ブラシはあくまでも、モーターの働きによって「すべて手でやるよりも、高い清掃効果が期待できる」レベルに止まるものです。
音波歯ブラシにおいては、ブラシの毛先が接していない深い部分のプラーク(歯垢)までも、200~300Hzの音波の振動によって落とすことができます。
それに対して超音波歯ブラシは、振動数が160~200万Hzと音波歯ブラシに比べてケタ違いとなっているため、電動歯ブラシや音波歯ブラシでは難しかった歯のプラークの細菌や、歯にこびりついた不溶性グルカン(歯垢の元になる大きな汚れ)までも破壊できることが、最大のセールスポイントになっています。
価格面では、電動歯ブラシは100円ショップでも見かけるほどに価格がこなれてきています。主にモーターの回転数の大小で価格差が生じている模様です。
一方で超音波歯ブラシはぐっと高額になり、本体は14,000円~18,000円程度、また3ヶ月に一回程度の交換用替えブラシは1本あたり500~1,000円程度かかります。
通常の場合、本体のモーター・内部の充電池とも、2年半~3年程度は修理交換の必要がありません(メーカー保証は通常1年であり、以降の修理は有償となります)。
替えブラシの代金まで含めて考えると、通常の歯ブラシに比べてかなりのコスト高になることも、また事実です。
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プラーク(歯垢)を歯の表面からこすり落とすのは、実はなかなかに力のいる作業なのです。
奥までていねいに時間をかけて磨かないと、そうそうキチンとすべての歯垢が落ちるものではありません。
音波や超音波は確かに、プラーク(歯垢)を落とす一助になります。
またこれまで普通の歯ブラシでうまく磨けていなかった方が超音波歯ブラシを使うことによって、それまでよりも効果的に歯垢を落とすことができるようになることも、確かでしょう。
しかし音波・超音波歯ブラシであっても、歯にこびりついた不溶性グルカンをそれだけで完全に落とすことは、残念ながらかなり難しいのです。
歯ブラシメーカーの実験によるPRは、あくまでメーカーの設定した一定の条件にもとづいて行われたものなので、皆さんのいつもの歯磨きのやり方で実験どおりの効果を出せるとは限らないことを踏まえておく必要があります。
超音波の作用に期待するあまり、20~30秒程度の短時間で歯磨きを終えてしまったり、磨きやすいところだけを磨いて奥歯や歯間に触れずにいるようでは、残念ながらその効果は大きくマイナスされることになります。
これはどんなに値段の高い、高級な超音波歯ブラシを使ってもそうなのです。
ただし、これはなにも「強く力を入れてゴシゴシ磨け」ということではありません。
超音波歯ブラシも普通の歯ブラシも、それほど握りに力を入れる必要はなく、鉛筆を持つ程度の軽い握りで持って、歯にごく軽く当てる感じで振動も小さめに、ブラッシングしていきます。
むしろ注意すべきは「磨き残しがないようにすること」「食べかすをきちんと取ること」で、それにはブラッシングの箇所やブラッシングにかける時間のほうが大切です。
その意味ではブラッシングが行き届きにくい箇所で、デンタルフロスや歯間ブラシを併用するほうがむしろ効果的です。
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「歯磨きにおける歯ブラシは通常のもので十分」と主張する歯科医は、実は少なくありません。
「歯のみならず、歯間や歯ぐきも丁寧にまんべんなく磨く」ブラッシングのやり方をもっとも重視し、それなら通常の歯ブラシで充分に果たせると考えている歯科医も、多いからです。
加えて超音波歯ブラシや電動歯ブラシは感電の危険性があるため、入浴中の歯磨きを控える等の注意点もあります。現状ではすべての患者さんに、歯科医が高価な超音波歯ブラシを気軽に薦めるまでには至っていないようです。
超音波歯ブラシを販売しているメーカーはいくつかありますが、有名なものをいくつか挙げれば、ウルティマ(東レインターナショナル)・デンターシステマ(ライオン)・オーラルB(ブラウン)といったところでしょうか。
いずれもメーカーごと独自の製品特長をうたっており、性能と特長について一つづつ個別に確かめていくことをおすすめします。
将来の歯周病リスクを回避するためにも、歯と歯ぐきをきちんとブラッシングすることこそが、第一の目的になるはずです。
そのためには正しい歯磨き(ブラッシング)のやり方、そして歯周病など歯の疾患について基本的な知識も身につけた上で、歯垢(プラーク)をできる限り除去するための一助として、超音波歯ブラシ・電動歯ブラシを取り入れてみるのが良いでしょう。
そういった意識も乏しいままに、単に以前の歯ブラシを超音波歯ブラシに替えて漫然と歯磨きしているだけでは、製品の機能も活かしきれずその効果も半減してしまうことは、是非知っておきたいところですね。
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